食品を販売する場合、色どりや形などに工夫を凝らしておいしそうに見える努力が常に行われています。しかし、テイクアウトの場合はそれが十分に伝わらなくなる可能性があるのです。例えば脱プラスチックが進む昨今、温かみのある紙製の業務用食品容器はナチュラルでエコロジーな魅力につながりますが、透明なプラスチックと異なり中身が見えないのが欠点といえます。そこで注目されるのが透明な窓付きのフードパックで、美味しさを伝える内容が外に見える構造とナチュラルな紙の質感が両立されます。
しかし、紙製の容器は耐油性や電子レンジ対応に注意が必要で、全ての食品に最適とはいえません。業務用食品容器は販売する食品の魅力のひとつではありますが、食品容器を重視するあまり食品そのものの味を損ねたり、電子レンジに入れられないなど消費者に不便さを感じさせては商品価値につながらないので注意が必要です。そのため、温かい麺類は断熱性に優れた発泡スチロールの容器を使ったり、断面の美しさが魅力のケーキはプラスチックのカップに入れるといった従来の手法は完全に代替されるまで継続しつつ、焼き菓子やスナックはエコな紙製フードパックで魅力的に演出するといった併用が重要といえます。そこで重視したいのが、業務用食品容器と商品の相性です。
例えばうな重が漆器風のフードパックで提供されているように、消費者の価値観を大きく損ねない形で商品を提供することもひとつの販売戦略といえます。